西野つかさを応援するスレ Part75
- 1 名前:名無しさんの次レスにご期待下さい 投稿日:04/01/04 11:20 ID:GRdZ/1oH
- いちご100%の西野つかさを応援するスレです。
つかさファンが集う場所です。
東城・北大路ファンは控えめに。
東城・北大路叩きも控えめに。
他派を刺激する内容はスレ内完結で。
このスレでのいちご100%のヒロインは、どんなことがあろうと西野つかさです。
煽り・荒らし・その他、マターリマターリを壊す輩は「完全放置」で。
雑談はOK。なりきりは禁止。
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西野つかさを応援するスレ Part74
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yuukiss神の曲
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- 493 名前:樹 ◆h9xSPCJqKw 投稿日:04/01/10 17:00 ID:aZbPf0Lr
- どうもー。普段は名無しでコソーリ書き込んでいるへたれな物書きです。
誰か一人でも俺のことを覚えていたら幸せの極みってやつですよ。
今週は本編が物足りなかったので勝手に補完しました。
でも喧嘩ネタなので、そういうのが嫌いな人はスルーして下さい。
- 494 名前:樹 ◆h9xSPCJqKw 投稿日:04/01/10 17:03 ID:aZbPf0Lr
- 『12月の初詣』
「ごっめーん!あたし今年は両親とパリで年越すんだー」
あたしは手を合わせて少しばかり罪の意識を感じながら言った。
「ええっ!?」
淳平くんは素っ頓狂な声を出して驚いている。
「へへー。いいだろー?パリってどんなところかなー?楽しみだなぁ」
「何だよ…それ」
淳平くんから予想外の言葉が返ってきた。
「えっ…?」
「せっかく今年は一緒に過ごせると思ってたのにさー」
横を向きながら責める口調で淳平くんは言う。
「そ…そんなこと言われたって仕方ないじゃない。あたしだけ一人こっちに残るわけにもいかないし」
「じゃあ、いいよ別に。パリ以下の俺は一人こっちでのんびり過ごすから」
淳平くんの妙にとげのある言い方にあたしは少し苛ついてしまった。
「そんな言い方しなくてもいいじゃない!何よ、あたしが悪いって言うの?」
「別に西野が悪いだなんて言ってないだろ」
「そう言ってるようなもんじゃない!ごめんね、あたしは一人でパリに行けるーだなんて舞い上がっちゃって。淳平くんは東城さんでも誘って初詣にでも行けば?」
「な…何だよ!西野だってそんな言い方しなくってもいいだろ?分かったよ、勝手にパリでもどこでも行けばいいじゃないか。俺は東城でも誘って二人でのんびり過ごすからさ」
あたしは自分で言ってしまった言葉の重大さにハッとさせられながらも、淳平くんの今までに見たこともない態度に戸惑いを隠せなかった。
「本当は喜んでるんじゃないの?東城さんと一緒に過ごせることになって。あたしのいないところでコソコソとキスする必要もなくなったじゃない?」
止められなかった。頭で考えるよりも先に口が動いてしまう。こんなこと言うつもりじゃなかったのに。
- 495 名前:樹 ◆h9xSPCJqKw 投稿日:04/01/10 17:05 ID:aZbPf0Lr
- 「コソコソなんかしてないだろ!」
「じゃあ、堂々とキスしようとしてたんだ?やらしー」
「なっ…西野の方こそ俺のいないところで他の男と…」
「…バカッ!」
淳平くんが言い終わるよりも先にあたしは思いっきり引っ叩いてしまった。が、すぐに後悔の念が渦巻くように現れると同時に後戻りできない状況に恐怖を感じ、あたしは逃げるようにしてその場を離れた。
次の日、あたしは約束していたトモコの買い物に付き合っていた。
「あー、つかさ、見て見て!あの服!かっわいいー」
トモコが指差す方を見ながらも、あたしは昨日の出来事が頭から離れなかった。
結局、あの後に淳平くんからの連絡は何もなかった。
「ちょっと、つかさ!アンタ今日変だよ。またあの彼と何かあったんでしょー?」
トモコがあたしの心を見透かしたかのように言う。トモコは何故かいつもこういうことには鋭い。
「あたしが悪いんだ」
- 496 名前:樹 ◆h9xSPCJqKw 投稿日:04/01/10 17:07 ID:aZbPf0Lr
- 喫茶店に入り、トモコはジュースを飲みながら黙ってあたしの話を聞いている。
「あたしが悪いのは分かってるんだ。淳平くんは何も悪くないのに、あたしが一方的に怒って…しかも引っ叩いちゃって…」
「ふーん。つまり、さっさと仲直りしたいってことでしょ。何を悩んでんのよ?」
「そんな簡単に仲直り出来たら苦労しないよ」
「だからってずっと待ってるんだ?自分が悪いって分かっていながら、向こうから謝ってくるのをひたすら待つんだ?」
トモコは何か言いたいことを隠しているような遠まわしな口調で話す。
「別に…そんなつもりはないけど」
「じゃあ、今すぐにでも電話して謝っちゃいなさいよ」
「そう…だけど」
昨日からずっと何度も電話をかけようとしたけれど、どうしても最後のボタンを押す勇気が出なかった。もしかしたら嫌われてしまったんじゃないかって、そんな気がして。
「だけど何よ?かける勇気が出ないから逃げるの?」
トモコは本当にあたしの心を読めるんじゃないかってくらいに核心を突いてくる。
「確かに…逃げてるかもしれない」
「それで、いつまで逃げ続けるの?彼が寂しくなって追いかけてきてくれるまで?」
「そんなことは言ってないだろー」
「つかさ、ずっと待ってても追いかけてきてくれない男だっているんだよ?」
あたしは何も言い返せなかった。
「ちょっと、手を洗ってくる」
そう言って、あたしはトイレに逃げ込んだ。
目の前の鏡には情けない顔のあたしが映っている。
「ずっと待ってても追いかけてきてくれない男だっているんだよ?」
トモコの言葉が蘇ってくる。
「ずっと待ってても追いかけてきてくれない男だっているんだよ?」
今度は目の前のあたしがそう言ったような気がした。彼女は相変わらず情けない顔をしている。
彼女を通じて昨日の自分を思い出し、嫌悪感が襲ってくる。
あたしは彼女に少し笑いかけてみた。彼女も同じように笑っている。
心の中で覚悟を決めた。
- 497 名前:樹 ◆h9xSPCJqKw 投稿日:04/01/10 17:09 ID:aZbPf0Lr
- あたしはトモコのところに戻った。
「ごめん、つかさ!急な用事が出来ちゃった。10分くらいで戻るから待ってて」
そう言うなりトモコは急いで喫茶店から出て行った。
一人取り残されたあたしはトモコが戻ってくるまでの間に、淳平くんに電話することにした。さっきの覚悟を無駄にしたくなかったからだ。
鞄を探って携帯を取り出そうとしたとき、テーブルの上にあたしの携帯が置いてあることに気づいた。
「あれ?こんなところに置きっ放しだったっけ?」
あたしは少し違和感を感じながらも、メモリの中から淳平くんの名前を探した。
…あった。あたしは意を決してボタンを押そうとした。
「西野!」
後ろを振り返ると、そこには淳平くんがいた。
「どうして…ここに?」
「さっき西野の友達から電話があって、ここにいるからって…昨日はごめん!」
窓の向こうにトモコが見えた。あたしと目が合うと、トモコは「ごめん!」と言わんばかりに手を合わせている。
「そっか、トモコが淳平くんをここに呼んだのか…」
「ごめん、迷惑…だったよな?でも、ずっと謝りたくて…」
「ううん。今ね、淳平くんの家に電話しようと思ってたんだ。昨日のこと…謝ろうと思って…本当にごめん。痛かった?」
「えっ?痛いって…何が?」
「頬…ほら、あたし引っ叩いちゃったから…」
「いや、大丈夫だよ。叩かれて当然だったから…」
「ごめんね…」
「そうだ!今から神社に初詣に行かない?少し早いけど、一緒に正月が過ごせないなら、今のうちにさ?」
「淳平くん…それ、初詣って言わないよ?」
「え?あ、そうだっけ?はは…」
「行こっか?初詣」
- 498 名前:樹 ◆h9xSPCJqKw 投稿日:04/01/10 17:11 ID:aZbPf0Lr
- あたしたちは近くの神社にやってきた。さすがに年末には誰もいない。
「こうやって二人で神社に来ると、京都を思い出すね」
「西野と一緒に修学旅行が出来るなんて考えもしなかったな」
「あの時は神社に辿り着くだけでも大変だったっけ?」
「うっ…俺のミスでした」
「先生に見つかりそうになって慌てて隠れたんだよね」
「西野なかなか奥に詰めてくれないんだもんな」
「お守り買って、あたしが落としたお守りと交換して…」
「まさか本当に西野が落としたものだとは思わなかったよ」
「懐かしいね。ついこないだのことなのに、ずっと前に感じる」
「俺も…」
「さてと、お参りしよっか?」
「あ、ああ」
あたしたちは少しフライング気味の初詣を済ませた。
「なあ西野?何をお願いしたのか聞いてもいい?」
帰り道、淳平くんが尋ねてきた。
「感謝の言葉…かな」
「感謝?」
淳平くんは訝しげに聞き返してくる。
「だって…年末くらいお礼を言っとかないと神様に失礼でしょ?」
なんてね。本当は…追いかけてきてくれて、ありがとうってね。
おわり
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