南戸唯を応援するスレPart6@いちご100%
- 1 名前:(=゚ω゚)ノ 投稿日:03/12/18 17:42 ID:Vr4rrq/k
- 週刊少年ジャンプ連載『いちご100%』の「東西南北」四大ヒロインの一角、
南戸唯(みなみと・ゆい)を応援するスレです。
幼なじみにして妹属性、意外にも脱ぎっぷりはヒロインナンバーワン。
マスコット的キャラで癒し系の唯ちゃんを応援しましょ。
遅い登場、学年が違う、学校も違う、出番が少ないと四重苦。
それどころか真中淳平争奪戦に加わるかどうかも不明だったため、
登場以来「単なるモブキャラ」「美鈴より存在価値なし」などと言われたが、
遂に72話で「もう子供じゃないよ」「淳平のことだーい好き」宣言。
その後四ヶ月近く放置されたものの、88話で悲願の再登場を果たす(´Д⊂
一人暮らしを続ける唯の成長に目が離せない!
南戸唯を応援するスレPart5@いちご100%
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1070545420/
南戸唯を応援するスレPart4@いちご100%
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1067831005/
Part3 【いちご100%】南戸唯を応援するスレ
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1062842186/
Part2 【いちご100%】南戸唯を応援するスレ
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1048047401/
Part1 唯のロリ化進みすぎ。(270でdat落ち。html化待ち)
http://comic2.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1040923694/
- 828 名前:由比正雪 ◆83gthwEldc 投稿日:04/01/03 01:22 ID:tGuoyTGQ
- 「むあぁー・・・よく寝た・・・」
大きく伸びをしながら身を起こした。
春の日差しがカーテンから差し込んでいる。
「・・・ぅ、・・・うん?」
布団の中をのぞくと、俺の体にからみついていた唯がつぶやきながら頭を動かす。
今日は床に敷いた俺の布団の方で寝ていたのだった。
「淳平ー、唯ちゃーん・・・起きなさーい」
母親が俺達を朝食に呼ぶ声がしている。上半身を起こしたままあくびをする。
突然、居間の方から廊下を歩いてくる足音がする。
慌てて布団を胸のあたりまで上げて唯の頭を隠す。
ガチャッとノブが回り、母親が顔を出す。
「コラっ、さっきから何度も呼んでるでしょ!起きなさい!」
「えー・・・」
頭を掻きながら眠そうな目を作って答える。
「いま、何時よ?」
「自分で見なさい・・・遅刻するわよ」
枕もとの時計に目を遣る。
俺は目を疑った。
「げ・・・。わ、わかった!すぐ行く!すぐ行くから!」
手を向こうにやり、母親に部屋を出て行くように促して、出て行かせると
布団をガバッとめくり唯を起こす。
「唯、唯、ヤバイ。遅刻しそうだ。」
「・・・んー?」
唯が顔を俺の顔の方に向ける。
「あ、淳平、おはよ。」
まったりとまだ眠りの水から上がりきっていない調子で答える。
- 829 名前:由比正雪 ◆83gthwEldc 投稿日:04/01/03 01:23 ID:tGuoyTGQ
- 「ヤバい、唯、時間。」
「・・・んー?」
枕もとの目覚し時計を手に取って唯に見せる。
沈黙の数秒間のあと、唯の目がみるみる驚きで見開かれる。
「どーしてっ?!なんで起こしてくれないのっ?!」
唯が俺の腰の上で体を起こす。
「俺だって気付かなかったよ!」
「もーっ!」
寝坊特有のヒステリーを起こしながら、唯がクローゼットに走る。
「しっかたねぇなぁー、もー・・・。」
俺も気分を悪くしながらクローゼットに近寄って制服に着替え始める。
カバンを持ってバタバタと居間まで走ると、皿の上に乗ってあったトーストをつかんで咥えて
「行ってきまーす!」
そう叫びながら、居間を、靴を急いで履いて家を飛び出した。
「まったく・・・あの子達ったら・・・」
そうつぶやきながら、真中の母親はコーヒーの残りをすすって朝のワイドショーの続きを見た。
いそいで駐輪場から自転車を引っ張り出すと、俺は前のカゴにカバンを、後ろに唯を乗せて
全力で自転車をこぎ始めた。通常なら絶対に間に合わない時間だ。
けれど、俺の足なら・・・。朝から気分を濁らせた、時間のイタズラに復讐をするために
俺は立ちこぎになってまでペダルを踏み続けた。
- 830 名前:由比正雪 ◆83gthwEldc 投稿日:04/01/03 01:24 ID:tGuoyTGQ
-
「わっ・・・淳平、そんなにスピード出すと危ないよ!」
俺の体に腕を回した唯が主張する。
「しょうがないだろ!こうでもしないと、ま・に・あ・わ・な・ぃ~っ!」
商店街の通行人が目を見開きながら俺達を避けていく。
「こっち通るぞ!」
ハンドルをきって河のほうへルートを変える。こっちの方が通行人が少なくて速い・・・はずだ。
河原沿いの道に出ると、見渡す限り、誰の姿もなかった。
「ほらっ・・・全然人がいない」
いい気になってこぎ続ける。
「ダメだよ、淳平、そんなにしたら、」
唯の忠告も聞かずに俺は力いっぱいペダルを踏み続ける。
唐突にペダルの抵抗がなくなった。
「あっ、れっ、」
ペダルから片足が抜け、地面と接触する。俺のスニーカーが何度もアスファルトで擦れる。
「だっ、わっ!」
「きゃんっ!」
唯が驚いて声を上げる。
もう片方の足のすねをペダルが直撃したらしいが、痛いこと以外はよくわからなかった。
バランスを急激に崩して、自転車の進路が道から外れる。
「きゃあ!」
「うわっ・・・」
- 831 名前:由比正雪 ◆83gthwEldc 投稿日:04/01/03 01:25 ID:tGuoyTGQ
- ブレーキを握るが、止まらない。
バランスがさらに崩れて、自転車から手を離して草の上に転がった。
俺にしがみついていた唯も俺の横に倒れた。
自転車は3メートルぐらい滑っていって自ら倒れて止まった。
「はぁ・・・。唯、大丈夫か?ケガしてないか?」
唯に問いかける。
「うん・・・あたしは大丈夫みたい・・・。淳平は?」
「ああ、俺も大丈夫みたいだ・・・。」
と答えながら立ち上がって、自転車の方に足をひきずって歩いていく。
「大丈夫じゃないじゃない!」
唯が叫ぶ。
「大丈夫だってこれぐらい・・・」
そう答えながら自転車を調べる。試しに少し車体を起こしてペダルを回してみる。
後輪が回らない。チェーンが外れているらしい。
「よしっ・・・」
カバーの裏側に指を入れて、チェーンを引っ張る。
が、ほとんどビクともしない。
「淳平・・・足、ホントに大丈夫?いたくない?」
唯が寄ってきて俺に心配そうに聞く。
「大丈夫だって。これぐらい・・・ふぬぅーっ!」
固くてチェーンは全くギアにはまろうとしない。
くるりと振り向いて唯に質問する。
「・・・唯、この辺で自転車屋ってどこにあるんだっけ?」
「そんなの淳平が知ってるんじゃないの?」
「そうか・・・」
俺も思い付く限り、これを買ったところしか思い付かない。
商店街からかなり離れてしまったのでこれを押して行く以外どうしようもない。
足は痛むし、遅刻決定だし、やる気が削がれてしまった。
「はーぁ・・・」
自転車を寝かせると俺は草むらの中に倒れた。
- 832 名前:由比正雪 ◆83gthwEldc 投稿日:04/01/03 01:25 ID:tGuoyTGQ
- 「え・・・淳平、ダメなの?」
「・・・っぽいな・・・。」
「むー・・・、しょうがないなぁ・・・・・・」
唯が俺の隣にしゃがみこむ。
「もう、俺、今日はいいよ、休む。」
俺はすっかりやる気をなくしてそう呟いた。
「えー?」
唯が非難めいた口調でそう言う。
「よくないよ、サボるのは・・・。」
ためらいがちにそう言った。
「しょうがないだろ、だってさぁ・・・。」
自転車を指差しながら倒れたまま答える。
「・・・もー・・・ホント、しょうがないなぁ・・・」
唯がポケットをごそごそ探す。
目をやると、俺の方にハンカチを差し出した。
「はい、これ。」
「これって・・・なに?」
「淳平の、ゆび。」
「指・・・?」
見ると、機械の油で黒くベトベトになっている。
「あ・・・。」
唯のハンカチと見比べる。白と黄色の綺麗なハンカチ。
「いいよ。そんなきれいなハンカチ使うのもったいないし。」
「いいから。」
唯が俺の手首をつかんで指をふき始める。
「おいっ、よせって」
唯は俺の指の汚れをごしごしとふいている。
「あー・・・」
指は、指紋の間に残った汚れ以外はきれいになったが、ハンカチは指の形に黒く汚れてしまった。
「いいって言ったのに・・・」
自分の指を見ながら言う。
「いいでしょ。キレイになったんだし。」
唯はハンカチを開いてそれをヒラヒラと振る。
「ふぅ・・・」
俺は溜め息をついて頭の下に腕を組んで空の方を見上げた。
- 833 名前:由比正雪 ◆83gthwEldc 投稿日:04/01/03 01:26 ID:tGuoyTGQ
- なにげなく打ったすねに手をやる。
「いつつ・・・」
少しだけ顔を歪めた俺の方に近寄ってきて唯が俺の頭をつかむ。
俺の首が持ち上げられ、唯の脚がその下を通った。
「淳平はホントにアホなんだから・・・」
唯がそう言いながら、俺の首を、膝を折った自分の脚の上に乗せる。
「アホって・・・」
唯の太ももの感触を感じながら俺は呟いた。
「バーカ・・・。」
唯が俺の目の前でハンカチを振る。
「コラっ!」
「きゃっ」
手を伸ばした瞬間、風が吹いてきて、俺の指に引っかかったハンカチをどこかへ、やわらかに吹き飛ばした。
「あー飛んでっちゃう・・・」
唯がその方向を見ながらつぶやく。俺はその唯の顔を見ていた。
春の風が、やわらかに河原の草原に吹いていた。太陽と雲はその光景に、ささやかな温もりを添えていた。(了)
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