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西野つかさを応援するスレ Part44

400 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:03/06/05 01:23 ID:NywMXABu
 結婚式は小さな教会でとても慎ましやかにとり行われた。
 学生結婚だった二人には世間のしがらみも少なく、参加者は両家の親類と、あとはその
友達が集まっただけだった。
 皆の視線の中、ゆっくりと赤い絨毯を進んでいく二人。
 黒のタキシードに身を包んだ真中には、幼かった日の弱気な面影など微塵も感じさせな
い強い目の光があった。
 純白のシンプルなドレスで飾った西野は薄く化粧を施していてとても綺麗で、そして昔
より優しい表情をするようになっていた。
 俺はただそれを見つめ、理由も分からないままに溢れてくる涙をまぶたの裏に隠すこと
に必死だった。

 披露宴は居酒屋で行われた。
「おぉ〜ん、俺も好きだったんだよつかさちゃ〜ん!」
 すでにデキ上がった小宮山が大声で泣いている。あまり披露宴にはふさわしい言葉でも
なかったが、新郎も新婦も軽くまわったアルコールも手伝ってか心から笑ってくれていた。
 俺も目立つ顔のせいか酒は良く勧められたし(特に小宮山の妹からはそれこそ鬼のよう
に呑まされた)、自分でもいつも以上に良く呑んだ。でも色々と考えてしまい、決して心の
底から酔うことは出来なかった。
 真中は西野のことが好きで、西野は真中のことは大好きで、あいつらのどちらにとって
も自分が一番になれないことは分かっていて・・・。ただ一つはっきりしていることは、
俺には西野のあの満面の笑みは引き出せなかっただろうということ。

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