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西野つかさを応援するスレ Part36

926 名前:作者の都合により名無しです 投稿日:03/04/30 00:25 ID:JMLFxFLa
どれほどの間そうしていたのだろうか。真中はただそのふるえる肩の小ささに驚いていた。
いったい自分はこの小さな少女にいくつもの悲しませたのだろう。どれだけの苦しみを背負わせてきたのだろう。激しい後悔が心に突き刺さる。
つかさがゆっくりと真中の胸元から抜け出すと、赤い目をこすりながら真中の顔を見上げた。
「雨、やんだね…行こっか?」
気付けば確かに雨は止んでいた。ここにいても風邪を引くだけなのは明らかだったが、それでも真中はその二人だけの空間が名残惜しく感じ、そして気付いた。
(そうかいつも自分は止まっていたんだ、そして西野は俺の手を引いて歩こうと…)
真中はすくっと立ち上がるとやさしくつかさの手を取った。
「さあ、行こう」
今度は自分から歩きだそう、西野の手を引くつもりで、もうこれ以上彼女の涙は見たくないから。

朱色に染まった通学路、手を繋ぎながら歩く人影。
雨はもう降っていなかった。
でも傘の下に隠れていたときよりも、二人の距離はずっと近くて…。


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