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西野つかさを応援するスレ Part36

925 名前:作者の都合により名無しです 投稿日:03/04/30 00:24 ID:JMLFxFLa
「過去の人だよ」
私はそう切り出した。淳平君の瞳に悲しみと諦めの色が映って少し後悔した。
「淳平君は過去の人だよ、淳平君といるといつも辛かった。だから嫌になった。だから逃げ出したの」
「逃げ出したって…それは違うよ、いつも俺が逃げてたんだ、西野から」
「違うの、逃げ出したの、淳平君を追いかけるのが辛かったから、だって…私は今でも淳平君のことが好き」
唇がふるえる。目の奥が熱い。
「過去の人だって割り切ろうとした、吹っ切れたふりもした、でも…やっぱり私は未来もずっと淳平君と一緒にいたいよ」
自分自身今まで何千回と繰り返してきた自問自答を、淳平君にぶつけてみる。
期待と恐怖、安心と不安、様々な想いが自分の体を支配しふるえが止まらない。
そして不意に瞼の奥からあふれ出てきた熱い感情を止める術を私は知らなかった。とても長い間そうしていた気がする。
沈黙の恐怖に耐えきれなくなり、雨の中へ駆け出そうと思ったその時、私の濡れた肩を淳平君は抱きしめてくれた。もう体のふるえは止まっていた。



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