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西野つかさを応援するスレ Part36

923 名前:作者の都合により名無しです 投稿日:03/04/30 00:23 ID:JMLFxFLa
「…くん、淳平君!ほら、また人の話聞かないでボーっとしてる」
「あ、ゴメン、なんの話だっけ?」
「だから今度はどんな映画撮ろうとしてるの?って」
「ああ…ええと今度は新入生を対象にした映画で…」
しばらく二人は階段に座り話をしていた。話が盛り上がれば盛り上がるほど、雨がまわりの雑音を全て覆い隠し、世界は二人の言葉だけを響かせた。
そして話が途切れ不意に訪れた沈黙に真中は妙にやさしく、そして懐かしい感情を思い出していた。
 西野とこうやってゆっくりと二人きりになれたのはとてもひさしぶりな気がする。
西野と会うときはいつも突然だった。そして別れもまた突然で…。ちょっと強引ででもいつも自分を引っ張っていってくれた。西野と二人だけの時間が流れるこの空間、俺はそれが大好きだったっけ。
いや、ちょっと違う、俺は今も西野つかさが好きだ。その強さも、内に抱えた脆さも、そして常に前を見ていたその大きな瞳が俺は大好きだった、でも…。
あの日、ホワイトデーの前日に出会った彼女、一年前に戻ったかのように短く髪を切った彼女は…。
「俺はやっぱり過去なのかな…?」
思わず口をついて出てしまった言葉に、自分自身驚き、そして焦った。一番聞いてはいけないことを、西野に聞かれてしまったかもしれない。
西野の方を見ると多少驚きの表情を浮かべながらも、その目はじっと自分の目を見ている。目をそらそうかと思ったがそれもできなかった。ひょっとしたらコレが自分の一番聞きたかったことだったのかもしれない。
俺は焦った頭でそんなことを考えていた。西野はそっとその重い沈黙を破った。


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