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西野つかさを応援するスレ Part36

917 名前:作者の都合により名無しです 投稿日:03/04/30 00:19 ID:JMLFxFLa
降りかかる雨が強さを増し、歩いているぎこちない相合い傘の二人の足下はすでにずぶ濡れになっていた
「ねえ、ちょっとあそこで休んでかない?」
つかさが近くのマンションの階段を指さして言うと、二人はいそいで階段下の小さな空間に駆け込み、傘をたたんでから並んでステップに腰を下ろした。
ハンドタオルで顔と脚を拭き、軽く前髪を整えると、びっしょり濡れた左肩を気にしながらつかさは呟いた。
「ふう、やっぱりこれだけ強く降り出すとあんまり傘の意味無いね」
「そんなことないよ、それがあるだけで全然違ったから」
真中はつかさとは逆の肩にかぶった雨を簡単に払ってから、つかさの顔を横目で覗いてみる…と、その視線に気付いたつかさと目が合ってしまった。
慌てたように視線を逸らす真中に、つかさはクスリと小さく笑うと
「でも良かった、淳平君と久し振りに会えて…あっ、そうだ」
自分のバッグの中を探り、ラッピングされた小さな袋を取り出した。
「またお菓子焼いたから友だちに食べてもらおうと思って持ってきてたんだ。淳平君も食べてみてよ」
ドライフルーツとナッツの入ったケーキを口に含むと、上品な甘さと洋酒の香りが口いっぱいに広がり、冷えた体に染み渡るような気がした。
「うん、美味しい!やっぱり西野は料理の才能あるよ、こんな美味しいお菓子初めて食べた」
「や〜、誉めすぎだって、でも嬉しい、ありがとう淳平君」
今日初めて本心からこぼれた言葉にそう言って笑うつかさの顔を見て、やっと真中は緊張がほぐれたような気がしたのだった。


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