西野つかさを応援するスレ　Part25

576 名前：作者の都合により名無しです 投稿日：03/03/04 22:50 ID:2Hw7fJzD

　学校帰り、友人に連れられてつかさはレンタルビデオ屋にいた。
　それじゃこないだ借りたヤツ返してくるね、と友人がレジへ向かう間に、自分もなにか借りようかと、つかさも店内をうろうろと歩き回っていた。
　新作コーナーに邦画コーナー。アニメコーナーに、カルトムービーのコーナー。
　落語ビデオに気を取られつつ、DVDやらビデオやらが天井近くまで並べられた棚の間を散策していたら、ふと洋画DVDコーナーの中に、見覚えのあるタイトルを見つけた。
　つかさの大好きなケアヌ・ルーブスも出演した映画で、たしか去年の今ごろに上映していたやつだ。当然、見に行った。
　パッケージを眺めながら、つかさはぼんやりとその映画を見た日のことを思い出す。
　赤い派手なシャツを着て来たあの人。
　映画通だった事も意外だったけど、それ以上に歌が上手いことに驚かされた。
　一日の終わりは、なんだかぐしゃぐしゃになって別れてしまったけど、新しい発見をいくつもした日だった。
　懐かしさが胸の奥からこみあげてつかさはそのビデオを手に取ろうとして―――――――やめた。
　すでに誰かにレンタルされていたのだ。
　少し、残念な気もしたが、もしかしたらあの人が借りていったんじゃないかなんて思ったら、くすぐったいような気持ちになった。
　もし、そうだったらなんだか縁があるようで嬉しいかもしれない。
　結局その日はそこらへんにあったビデオを適当に選んで借りて帰った。
　すごくつまらないスパイ物の恋愛映画だったが、主人公の上司の恋人の父親の、
「すれ違った思いこそが　愛を目覚めさせる」
　というセリフだけが、心に響いた。・・・・・・今度は、彼が薦めてくれたハンニパルでも借りて見よう。
　
　――おわり

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