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西野つかさを応援するスレ Part22

1 名前:作者の都合により名無しです 投稿日:03/02/17 07:13 ID:tEFeLBLe
いちご100%の西野つかさを応援するスレです。
つかさファンが集う場所です。
東城・北大路ファンは控えめに。
東城・北大路叩きも控えめに。
他派を刺激する内容はスレ内完結で。
このスレでのいちご100%のヒロインは
どんなことがあろうと西野つかさです。
煽り・荒らし・その他、マターリ雰囲気を壊す輩は「完全放置」で。
なりきりは禁止。

前スレ
http://comic2.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1045311714/

yuukiss神の曲
http://f6.aaacafe.ne.jp/~pantiira/

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73 名前:作者の都合により名無しです 投稿日:03/02/17 20:56 ID:UrH1Wwo3
「ねえ、どうしたの」
背中からの呼びかけに唯が振りかえると、優しそうに微笑む女子高生が立っている。
女の唯でさえも息を呑むような美少女だった。磁器のようになめらかな
きめ細かい雪肌は、薔薇色の内奥を透かして温かく柔らかそうだ。
そして、手入れもなしに整っていそうな形のいい眉と艶やかな睫毛の下の
大きな瞳がひときわ印象的である。深く澄み透った湖水のような表面を
好奇心の光が踊っている。
「もしかして迷子?」
桜花に命がかよったような唇から、鈴音を思わせる声がもれると
唯はすっかりどぎまぎしつつ答えた。
「うん、あ、はい、昔この街に住んでたんだけど、この辺はぜんぜん来たことなくて」
「それじゃあ、わかるところまで送っていってあげようか。どこに行きたいの」
「うわー、ありがとう。**町の*丁目です」
一瞬、目の前の少女の瞳に影がさしたように見えた。
しかしすぐにお安い御用と笑顔を向ける様子に、唯は気のせいだと思って
厚意に甘えることにした。


74 名前:作者の都合により名無しです 投稿日:03/02/17 20:57 ID:UrH1Wwo3
つかさは、真中の暮らす近辺に足を進める緊張を、迷子の少女との会話で
紛らわそうと努めた。それにしても表情のころころ変わる賑やかな子で、
以前ラジオで聞いた三遊亭圓窓の「五百羅漢」に出てきた迷子のまいちゃん
とは大違いだなとくすりと笑った。
「あっ、唯、ヘンなこといっちゃった?」
「ううん、なんでもないの、思い出し笑い」
そのとき、数日前にチョコの包みを携えて同じ道を通った自分の姿が
不安とともに記憶に甦り、あたりを見廻して唯に問い掛ける。
「この辺りだと思うんだけど見憶えある?」
「うん、じつはもう、一人でも帰れたんだけど、お姉ちゃんといるのが楽しくて。
ねえ、よかったらお茶でもいっぷくしてってください。お礼です!」
そういって、唯は嬉しそうにつかさの手をとる。
この場所から離れたいという心意と、相反する離れたくないという気持ちの
葛藤に裂かれながら、つかさは運命を他人に委ねるように、その手を唯に
引かれるままにした。そしてまた予感のようなものに導かれつつ、
忘れようもないマンションに近づき、階段を昇るにつれ
つかさは心を麻痺させていった。唯の声が意味をもたない音楽に聴こえる。
「ここです」
ドアがひらき、つかさは我に返った。目の前に、あの自分には永遠に
閉ざされたはずの扉があいている。
つかのま逡巡し、そして右足に意志をこめ、彼女は敷居を越えた。(了)


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